本項では書きませんでしたが、ボディガード業界ではC国資本のホテルは避ける傾向にあります。というのも今は分かりませんがC国の資本のホテルでは、過去にワイヤータップ(Wiretap/盗聴)被害が結構あったからだと聞いています。実際、毎夏にニューヨークで行われる国連総会に出席するアメリカ大統領は、ウォードルフ・アストリアが定宿となっていたのですが、ウォードルフ・アストリアがC国に2014年に買収にされて以来アメリカの大統領がウォードルフ・アストリアを使うことはなくなりました。当然、毎年、国連総会期間中にアメリカ政府主催のパーティもウォードルフ・アストリアでは行われなくなりました。アメリカの国連大使もウォードルフ・アストリアの1フロアを貸し切って公邸として使用していたのですが、これも違う場所へと移動となりました。
大阪で行われたG20の際、アメリカのホテルがあるにも関わらず、帝国ホテル大阪を貸し切り滞在したことから推測すると日本はアメリカから信用があるようです。
ホテルではありませんが、ニューヨークの国連本部でも昔にワイヤータップの被害にあったことがあるので、警護班では特別な訓練を積んだ隊員による定期的な盗聴器調査が行われています。
C国出身のクライアント、もしくはC国と関係が深いクライアントであれば、C国資本のホテルでも特に問題がないかもしれませんが、そうでない場合は、ホテルのバックグラウンドについて調べておく必要があります。
私は残念ながらワイヤータップに関する特別な訓練を受けていないので詳細は分かりませんが、小型の調査機材もあるのでワイヤータップに神経質なクライアントの場合には、そういった機材で部屋やクライアントが行く予定の場所をスイープ(Sweep)しておくと良いと思います。
アメリカとの国交が回復される前のキューバに出張で行ったことがあります。今のキューバ―は分かりませんが、当時のキューバではクレジットカードをはじめ、携帯電話などのアメリカ製品が全く使えませんでした。そのうえ、無線の持ち込みもキューバ政府から制限されてしまったため、現地で調達した携帯電話をコミュニケーションに利用するしかありませんでした。この携帯電話は、あまりにも稚拙な技術でワイヤータップをされていることは明白でした。このようにワイヤータップのリスクをどうにも回避できない場合もあるので、あらかじめクライアントにもそういう危険性があるため話す内容に気を付けるよう伝えておくことも重要です。
なおC国資本のホテルでなくても、高級ホテルブランドであっても、クライアントを泊めるには問題があるホテルも多くあります。ブランドなどに騙されずに、どんなホテルでも丁寧な調査を行うように心がけましょう。
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