ボディガードになるのに必要な条件

ドラマや映画などの影響で、「ボディガード」という仕事があることは日本でも広く認知されるようになりました。しかし、知り合いにボディガードがいるという人は多くないはずです。

ボディガードになりたいと思っても日本語の教本を見つけることは非常に難しいです。

今回は、そんなまだまだ謎に包まれたボディガードになるうえで備えておくべき資質について書きたいと思います。

“一流”のボディガードになるには、いくつかの必要不可欠な要素があります。

ボディガードは社交的(Sociable)でないといけません。ボディガードは、基本チームで働きます。しかし、チームは毎回同じメンバーだとは限りません。国外での任務では、会ってすぐにチームとして働かないといけないことも少なくありません。

チームワークの利点は、メンバー同士のスキルを活かした相乗効果が見込め、個人で行うよりも高い目標達成が目指せるということです。社交的なメンバーが多いチームでは、たとえ即席のチームであっても、チームワークの利点を十分に活かすことが可能です。

コミュニケーション能力」も“一流”のボディガードには、必要不可欠な要素です。人に自分を分かってもらうのにも、人から必要な情報を得るのにも、コミュニケーション能力が高ければ高いほど短時間で目標を達成することが可能になります。

チームにブリーフィング中の私

判断力と実行力」も忘れてはいけません。どんなに優秀なボディガードでもリスクを0にすることは不可能です。ボディガードの役目はリスクを最小限に抑えることなのです。そのためには、現場の状況に応じた最善の策を瞬時に判断し、実行にうつす力が求められます。

Personal Protection Officer (以下、「PPO」という)には、上記にプラスして「不動心」が重要になります。

思わぬ出来事が起きた際に固まってしまうような人には、PPOは務まりません。こればかりは自分では、なかなか判断が難しいです。

長年の希望がかない国連本部の警護チームに配属されたばかりのころ、かなり実践的な訓練を受ける機会がありました。

ブラインドスポットから突然、敵役の指導員が運転する車が飛び出してきてVが乗る車(以下、「M1」という)に体当たりをしてきたのです。Vの乗る車は、押されて前方に壁がある場所でストップしてしまいました。実際にぶつけてくるとは想像していなかったM1を運転していた同僚は、あまりのショックにすぐにバックでその場から逃げることも忘れて固まってしまいました。訓練で固まるようでは、本当に何かあった際に対応が出来ないと判断され、その同僚は警護の一線から外されました。

社交性」、「コミュニケーション能力」、「判断力と実行力」、「不動心」、どれも訓練により鍛えることが可能です。つまり、ボディガードは誰でも努力をすればなることが可能な仕事です。以上の要素を伸ばす過程で、自信もどんどんついていくはずです。

どんなに腕が良いボディガードでもオドオドしていたら、Vを不安にさせてしまいます。もちろん、根拠のない自信ではダメです。ボディガードは、自信をもって警護が出来るように日頃から訓練を欠かしてはいけません。




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