警備業界は慢性的な人材不足に悩み、バイトやシルバー雇用でその穴埋めをする警備会社も少なくありません。しかし、若い人が正職として勤めたいと思う魅力的な業界でないと、いずれその業界はすたります。まさに不の循環の真っただ中の警備業界には、若くて有能な人材も少ないようです。そういった現状で、第2言語をしっかり使いこなせる警備員はどの程度いるのでしょうか?
母語話者数は、世界でも10位以内に入る日本語ですが、日本語を母語とする人は9割9分日本国内に住む人たちです。そのため、日本人が海外の人と話をするためには、他の言語を学ぶことになります。その際、世界共通語である英語を第2言語に選択をする人が圧倒的に多いでしょう。
しかし、英語と同じインド・ヨーロッパ語族の言語を話すヨーロッパの人たちと比べ、全く異なる言語である日本語を話す日本人にとって英語の習得はとても難しいと言われています。実際、日本人は勤勉でまじめな人が多いと言われているにも関わらず、英語に関しては驚くほど話せない人が多いです。完璧主義者が多く、恥をかくのを嫌う国民性が影響し、間違った文法や発音で話すことに抵抗があるのかもしれません。
警護業界はとても狭いので、SPにも顔見知りの方がいるのですが、日本では自信満々で堂々としているのに、海外では英語が話せないために借りてきた猫状態になっている姿を幾度も見かけました。以前、ミュンヘンの安全保障会議で見かけたSPの方などは、会議場に入れてもらえなかったうえに、いつ大臣が出てくるかも英語が話せないため誰にも聞けずオロオロしていました。
母語ではない英語を完璧に話す必要は全くありません。アメリカに20年以上住み、アメリカで大学も卒業していますが、私の英語は本当にひどいです。文法もめちゃくちゃですし、発音ももろにジャパングリッシュです。それでも普通に通じていました。大学で言語学を専攻した妻からは、「絶対に通じない」と教わったダメな英語なのになんで通じるのかが理解できないと言われたぐらいです。
要は自信をもって大きな声と言いきることです。正しい文法であっても、綺麗な発音であっても、小さな声では相手に話を聞いてもらえません。そして「あれ、間違っているかも」と思っても最後まで言いきると、意外にちゃんと聞いてもらえます。英語にコンプレックスを抱え、モゴモゴ何を言っているか聞こえないような話し方は一番NGです。もちろん、最低限の英語の基本はあっての話ですので、ボディガードを目指す人は英語の勉強を怠ってはいけません。
私は、ボディガードにはなりたいけど、海外に行くつもりはないから英語なんて話せなくてもよいと思っている方、間違っています!
コロナが落ち着けば、また外国人の方が日本に戻ってくるでしょう。クライアントが外国人なんてこともあるかもしれません。そんなときに、英語が話せないのでは満足な警護は出来ません。
言語ってボディガードには無縁なように感じる方もいたかもしれませんが、言語はボディガードにとっても重要なことです。「Continuing Education」って聞いたことがありますか?アメリカでは、「社会人になったら勉強は終わり」ではないのです。社会人になっても、より高みに行くために色々学び続けるのです。国連でも、毎年Continuing Educationとして何を学んだか報告させられていました。
コロナの影響で、2021年にオリンピックが開催できるのかまだ分かりませんが、オリンピックのような国際イベントでも外国人の方の対応に困らないようにContinuing Educationとして言語を学び始めてはいかがでしょうか?
カテゴリー
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
30 | 31 |