本隊の車が到着する際に縁石の下に降りて待つ新人警護官がときどきいますが、これは良くありません。車などの機械には思わぬ故障が起きることがあります。アドバンスは、車の導線上には立たず、縁石などがあれば縁石の上に立つべきです。これはお互いの安全のためです。人の安全を護るには、まず己の安全を護れないようではいけません。
これはルート・サーベイよりもドライバーについてですが、クライアントを車から降ろす際、ギアをパーキングに入れるか、それともドライブのままにしておくかもボディガード業界では常に話し合われるトピックです。安全面を重視するなら、ギアはパーキングに入れるべきですし、緊急時にサッと動けることを重視するのならギアはドライブのままにしておくべきです。ちなみに、ニューヨークの国連本部の警護チームでは、安全面を重視してギアはパーキング入れるようにしていました。これは会社によって方針も異なるので、ボディガードになった際には所属先のルールやポリシーを確認し従うようにしてください。
他にもアドバンスと本隊の間では、いろいろと細かい取り決めをしておく必要があります。本隊到着間際に何らかの緊急事態が起こり、クライアントの安全が護れる確証がない場合にはアドバンスはその旨を本隊にどうにかして伝える必要があります。国連本部警護隊では、(毎回サインは変えていました)アドバンスがグーを突き出して立っている場合には、本隊はストップせずに通り過ぎるというような約束になっていました。
ルート・サーベイに限らず、ボディガードの仕事は一緒に働くチームメイト、働く環境によっていろいろと変わってきます。ルーマニアの首都ブカレストでR-CPOCを受けた際、私のチームには、インフラ整備が整っていないフィールドで働く同僚が数人いました。そのような環境で働く彼らは当初ブカレストの街中にある信号機ですら、進行を遅らせるという理由でチョーク・ポイントだと考えていました。しかし、都市部では信号機があるのは当たり前で、信号機をチョーク・ポイントだと言っていたら、何も行動が出来なくなってしまいます。幸い、彼らはすぐにフィールドとは異なるルート・サーベイを理解し、環境に適応することで私のチームは無事に任務をクリアすることが出来ました。
今回紹介したルート・サーベイはあくまで参考に、実際にボディガードとして働く際にはその場に最も適したやり方を選択できるフレキシブルさを持ってください。
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