世界でも有数の安全な国である日本では、警備業はまだこれからの分野です。警備業法が施行されたのが昭和47年(1972年)、警備業を始めるのに必要な(国家)資格である警備員指導教育責任者が制度化されたのも昭和57年(1982年)とどちらもまだ50年も経っていません。警備指導教育責任者のほか、現在は機械警備業務管理者と警備業務検定という国家資格もありますが、警備関連の民間の資格や訓練は多くありません。
一方で国としての歴史は日本よりも断然短いアメリカですが、1870年代には既に世界最古の警備会社だと言われているPinkertons National Detective Agency(ピンカートン探偵社)が存在していました。警備の法制定も1915年ごろと日本より歴史が長く、民間の資格や訓練の選択肢も数多くあります。
そこで向上心がある当読者で英語が出来る方は、アメリカで資格や訓練を取ってみたいと思う方もいるのではないでしょうか。その時に少しでも役に立てればと思い、これまで私がアメリカで取った資格や訓練についても少しずつ書いていきたいと思っています。
第1回の今回は、International Foundation of Protection Officers (IFPO)という団体のCertified Protection Officer (CPO)についてです。IFPOは、1988年にアメリカ合衆国フロリダ州ナポリでセキュリティオフィサーたちの知識向上をねらった資格や訓練の提供を主のサービスとして設立された非営利団体です。設立されてから30年以上経っており、しっかりとしたホームページもあり、コミュニケーションもしっかりしているので信頼できる団体だと言ってよいでしょう。
しかし、残念ながらCPOの信頼度はさほど高くありません。その原因は、資格試験の受験形態に問題があるからです。CPOは、IFPOが制作するCPO用のテキストを1冊しっかり読めば合格が出来てしまう内容です。試験問題は、受験者が指定した職場の上司などに送られ、上司の監視の基受験をすることを前提としていますが、これに強制力はありません。もともとそれほど難しい試験ではありませんが、友人や家族を上司だと偽り、テキストで調べながら試験を受けることも可能です。
こうした理由から、私も一応ルールに従い受験し合格はしておりますが、履歴書などに記述することはありません。アメリカへ行かずに受験できるというメリットはありますが、あまりオススメ出来ません。
選択肢が多いからこそ、アメリカの資格を取得するのであれば、信頼度が高く履歴書にも自信をもって書けるものを選ぶ必要があります。アメリカの警備に関する資格や訓練に関してお困りの際は弊社にご相談ください。
追記【2023年7月30日】
2023年7月に、LinkedIn上で多くの方々がIFPOのCPOIの資格取得を報告しているのを目にし、筆者も興味を持ち調べてみるとCPOIの受験資格の1つにCPOの保持があることが分かりました。CPOは2013年に1度取得していますが、その後の更新については必要性を感じなかったので、2015年に失効させてしまいました。再試験を受ける手間を省くため、IFPOに問い合わせたところ、「Workbook」を記入・提出すれば更新が可能だと分かりました。すぐに「Workbook」を記入・提出し、翌日には許可が下り、デジタルのCertificationが送られてきました。通常の更新費用は$40ですが、一度失効していたため追加で$40のペナルティがかかり、合計$80でIFPOのCPOの資格を無事に再取得しました。
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