「クリエイティブ・ビジュアリゼーション(Creative Visualization)」という言葉を聞いたことがありますか。
ロシアの科学者が、オリンピック選手に以下の4つの異なる練習を取り入れ、どの練習が最も良い結果を生むか調べる実験をしました。
・グループ1の選手には、フィジカルトレーニングのみ
・グループ2の選手には、フィジカルトレーニングを75%、メンタルトレーニングを25%
・グループ3の選手には、フィジカルトレーニングとメンタルトレーニングを50%ずつ
・グループ4の選手には、フィジカルトレーニングを25%、メンタルトレーニングを75%
結果は、メンタルトレーニングに多く時間を割いたグループ4の選手が、最も良い結果を残しました。
上記の研究結果は、いかにメンタルトレーニングが重要かということを証明しました。そしてメンタルトレーニングの重要性は、スポーツの世界だけでなくどんな世界にも同じことが言えると思います。もちろんボディガードの世界にも当てはまります。
ボディガードの訓練を受ける際に、実践してほしいことがあります。それは、インストラクターが言うことを、何も考えずにそのままうけ入れるのではなく、「こういう場合には、どうしますか」と積極的に質問をすることです。
先日YouTubeでタクティカルトレーニングの動画を観た際に気がついたことがあります。インストラクターの方が射撃の後に、銃をホルスターにしまう前に後方をキョロキョロと見ていました。銃をしまうのは完全に安全を確認してからで、360°のスキャン(見回すこと)は基本です。ただ何もこれをビジュアリゼーションなしで行うと、形だけのキョロキョロで「見ているふり」になってしまいます。私も国連本部の警備隊に入職が決まり、銃を携帯するための訓練を受けている際に今でも忘れられない経験をしました。自分では、ちゃんと見ているつもりだったのですが、きちんとビジュアリゼーションをしていなかったため、自分でも気がつかぬうちに形だけの「見ているふり」になってしまっていました。それに気がついた教官は、(練習用のダミーの)銃を手に持ち、私の真後ろに立っていました。それに気がつかず銃をホルスターに閉まった私は、その教官に思いっきり後ろからダミーの銃で小突かれ、すさまじい形相で怒られました。
練習では、小突かれ、罵声を浴びるだけで済みますが、実務についてから同じことをしたらそれは死につながります。どんな訓練でも、見えない敵を頭の中で作り出し訓練することで、同じ訓練をするにもしても、何も考えずに訓練する何倍も使えるスキルとして習得することが可能になります。
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