警備とグローブ

4カ月とかなり短い期間でしたが、アメリカから帰国してから東京のラグジュアリーホテルで警備の責任者をしたことがあります。

既にコロナで大変な時期だったにも関わらず、私が配属されるまで直属の部下を始め、外注の警備会社の社員もグローブを携帯している人がほぼいませんでした。

部下から話を聞いてみると、以前酔っ払って嘔吐、吐瀉物まみれになっていた宿泊客を素手のまま介抱したこともあるということでした。

警備に関わる人間なら手荷物検査でバッグ等に手を入れる際や、衣服に危険な物を隠していないか手で触ってボディチェックをする際は必ずグローブをすると思います。それ以外の場合でも、他人の身体に触れる際には必ずグローブを着けるのが私にとっては常識でしたが、彼らにそういう認識はありませんでした。

手荷物検査やボディチェックの際にグローブを着けるのは、針やナイフなどの鋭利な物で手を刺したり切ったりすること防ぐためだと思われていますが、それ以外に衛生面での役割もあります。

日本が他の国に比べてコロナの重症患者が少なかったのは、コロナ以前からマスクを着け、頻繁に手洗いをする習慣があったことが少なからず関係していると言われています。このように一見非常に高い衛生観念を持っていると思われがちな日本人ですが、警備と衛生をうまく結びつけられない人が多いように思います。

私が国連で警備をしていた際は、針やナイフで手を怪我するリスクを減らすケブラー素材の特殊なグローブを常に携帯し、手荷物検査以外でも逮捕などで人に触れる可能性がある場合にはサッとグローブを着けるようにしていました。錆ついた刃で手を切った場合は、破傷風のリスクがありますし、EMTsの記事にも書きましたがアメリカにはHIV感染者が日本に比べて多く、その人達が既に使用した注射針で間違って手を刺してしまったら大変なことになります。

※警察、警備、医療従事者は、業務的に感染のリスクがある感染症対策として予防接種を事前に受けておくことも重要です。

用途にあったグローブを携帯することが最善の選択ですが、コロナ状況下では最低限ニトリル手袋(ラテックス手袋や粉がついたグローブはアレルギー反応を起こす人がいるので使用は避けるべきです)は小さく丸めてジップロックに入れ携帯しておくべきだと思います。


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