先日テレビを見ていたら、エリート街道を捨ててまでスリルを求めて民間警護の道に入ったという方が出演されていました。
本気で「スリル」を求めて民間警護に入ったとしたら、残念ですが映画やドラマの見過ぎです。
プロのボディガードは、クライアントに危険が及んだ時点で任務失敗とみなされます。そのため、事前に綿密な下調べをして完璧なプランの基、任務を遂行します。そのため、ボディガードの仕事で「スリル」を味わえることは、一流であればあるほど限りなく0です。
警護任務で、イラクやソマリアなどにも行きましたが、そういった通常ハイリスクと呼ばれる地域での警護ですら「スリル」を感じることはありませんでした。詳細をここで書くことは出来ませんが、ハイリスクの任務中に警護車両に向かって発砲されたことがあります。しかし、これは事前の調査の段階でそういった危険があることを突き止め、警護対象者(以下、「V」という)にも説明済みでした。そして警護チームは、Vが乗るB7防弾車以外にもさらに強力な装甲車を用意してVの車両を完全に護っていたので発砲されても、スリルより「やっぱり来たか」といった感情しかありませんでした。
これが都市部になれば、さらにスリルを感じることは減ります。ボディガードの仕事に興味を持つ若者が増えて欲しいので、こんな記事を書くのはあまりよくないのかもしれませんが、ボディガードの仕事の大半は「待ち」です。
ホテルではVの部屋の前の廊下でまったり、運転の担当なら車の中で待ったり、とにかくボディガードの仕事は待つことが多いです。
そして勤務時間もV次第なところが多いので、仕事がある日はプライベートの約束は出来ません。
勿論、ボディガードの仕事は面白くないことばかりではありません。次回は、ボディガードの特権について書こうと思っています。
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